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「馬鹿野郎!あそこにファミリーの部下を送れば、それこそ事態は大事になっていたかも知んねぇだろ!しかも俺は署で部下に指示をしてたせいで迎えに行けなかったんだよ!てめぇは自分の事を隠すくせにそうやって何でも疑うのか!」
バシッ━━━━━
リチャードはポケットから出したそれをテーブルに叩きつけた。
密閉式のビニール袋の中に入ったそれを見て、表情が凍ったのは勿論キースだ。
ビニール袋の中に入っている白い粉状の物質…。
「リッチ、これは?」
ダグラスが訊くと、リチャードは睨み付ける瞳をキースに向けながら言った。
「お前等がドンパチやったせいで警察に通報が入ったんだよ。それでこの馬鹿野郎(キース)の部屋も部下に調べさせてたら出てきたんだ。しかもこれは隠してあった物の一部…てめぇ、専属ならルールくらいわかってんだよな?あ?」
━━━━滅多に見ないリチャードの怒りの表情。
思わずキースが目を背けた。
「キース…お前、コカに手を出したのか?」
そう口にしたサクティの眉間に、どんどん深いシワが刻まれていく━━━━
「お、俺んじゃないッスよ!昨日のあの女のです!」
「じゃあ何でわざわざ部屋に隠した?下手な言い訳しやがったらてめえをリン・ヴォートル殺害の容疑者としてに引き渡してやる!」
「見られて誤解されたら嫌だったから隠したんスよ!俺は本当にやってないです!せっかく専属になったのにそんな馬鹿な真似はしません!ファミリーに入ったらコカに手を出さないってのは向こう(シカゴ)のボスとの約束です!」
…リチャードとキースのやりとりを見ていたダグラスに、サクティが耳打ちした。
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