4月3日。

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「まっいごの迷子のこっ猫ちゃん~」 ふんふんと歌を歌いながら暗い暗い夜道を歩く。今日はひとり。なぜならねこが僕を置いて先に行ってしまったから。 ずるいよな。 僕だって雨さえ降ってなければ行きたかったのに、そんな気持ちも露しらず。窓から飛び下りてひとり颯爽と走り出したのはつい数分前のこと。 「にぁー」 「ん?」 今ねこの声がしたような。 しかしキョロキョロと辺りを見回してみても、その姿は見つからない。フワフワの毛をはやした、あの小さな体が。 「ねこー?」 どこいるんだよー。 浮気かこんにゃろー。 「ねこー」 そんな時。 どんよりと曇っていた空がぴかりと光る。 「ッ!!」 はっとして耳を塞ぎ、その場にしゃがみこめば、すぐにそれは聞こえた。 雷の、落ちる音。 地面に響くようなその音に、思わず目をぎゅっと瞑ってしまう。震える肩を抱くようにギュッと握り締め、音が止むのを待った。 大丈夫だと思っていたのに…。 「ばかねこ…」 ねこのせいだ。 ほんとなら今頃は家で眠ってるはずだったのに。
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