4月3日。

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ジャリ… 「…なにしてんだ?」 「にゃー」 そんな呑気な声が聞こえて、振り返り、恨みをこめて睨んでやった。 「ねこだけ来たから…ひびった」 「みー」 「ばかねこ、ばかねこ。お前帰ったらおしおきだかんな」 相変わらず噛み合わない会話。雨こそは降っていないものの、さっきから空がぴかぴか光っている。 そのたびに僕の体がぴくりと反応していることを、彼は気付いているんだろうか。 「恐いのか?」 「…なにが」 そこまで疎くはねぇよ、ってやつ? そんな簡単には弱味教えないよー…って言いたいとこだけど、もう遅いかな。だって僕一番嫌いだし、雷。見てたら嫌いなの分かるくらいあからさまだろうし。 自覚はしてるのに、こればかりはどうしようもない。 だって、嫌いだから。 「かみなり…」 「恐くないよ?嫌いなだけで」 「みー」 「恐くないってば」 「恐いから嫌いなんだろ?」 「みゃ」 「ふたりしてなんだよー。弱味なんか握ってどうするつもり?」 「にゃー」 「まっ、なんて卑怯な!!」 「…なにを言ってんだ」 呆れたような視線が痛いよ? だってねこは絶対卑怯なこと考えてるとしか思えないんだよね。だから、僕とねこの会話は意外に通じてると思う。 「それより、雨なのに今日もいたの?」 「…あぁ」 「暇なんだね」 「お前には言われたくない」 「まっ!!」 失礼な。 僕だって忙しい時は忙しいんだぞ。ていうか、夜に忙しい人なんてそうそういないよ。 「どーでもいいから、うちまで送って」 「あぁ」 「みゃー」 「…あぁ」 「え?なに?分かるようになったの?猫語」 雨の日の散歩。 それは意外にも、楽しい一時を味わえた。 ねこのおかげだとは、悔しいから言ってやらないけど。 でも、仕方ないからまたたびは勘弁してやるか。
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