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４月１日｡
今日も今日とて世間は騒がしい｡
青少年犯罪が年々増えてきて､高齢者によるスリ集団被害も増えてきて､マスコミは万々歳｡世間の人たちはおちおち夜道も散歩できない｡
そんな世の中でも僕にとっては平凡平和で｡
だって自分に被害があったわけじゃないんだから､あるかも分からない未来にビクビクしてても仕方ないじゃないか｡
だから僕は夜道を歩く｡
誰もいない暗い暗い夜道｡
ザワザワザワザワ｡
草木が揺れてひやりとした感触に思わず背筋を伸ばす｡
ザワザワザワザワ｡
草木が揺れてドキリとする｡こういうスリル感が楽しくて仕方がない｡
だから僕は毎日のように夜道を歩いた｡
歩かないのは雨の日と雷と気分がのらない日だけ｡
見上げた空にぽっかり浮かぶお月さんにこんにちは｡
「あっ､こんばんわ｡か…」
間違えた間違えた｡
朝はおはよう､昼はこんにちはで夜はこんばんわ｡
間違えないように頭の中で反芻しながら歩を進める｡
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