入院

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色白ででっかくて真っ黒い目。 柔らかそうな髪。 細くて今にも折れちまいそうな体。 その姿がなんでか目が離せなくなった。 そいつはずっと本を読んでて俺がいることなんて気づいていない。 そいつのいる病室は窓が開いてて、突然風が入ってきて柔らかそうな髪がふわっと舞い上がっていた。 その髪を片方の手で舞い上がるのを防いでいた。 その何気ない光景にまるでその空間だけ時が止まったような感覚がした。 「こら、龍生君。何覗き見してるの」 龍生「うわっ!!!」 誰だよって見ると、兄貴の婚約者で看護士の美保さんがいた。 美保さんのせいで俺の中で止まった世界から急に現実に引き戻された。 。
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