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『ニシシシシ』とマサオは笑う。
『ニ』のあとに『シ』を4つつけて笑うのだ。
私の町でマサオはちょっとした有名人だった。
マサオは知的障害者で町の住人から愛されていた。
マサオの年齢は多分三十台だったと思う。
大柄な体格で、頭は坊主だった。
一人っ子で友達も少なく、内向的な小学生だった私はよくマサオと遊んでいた。
今だったら親が子供を近づけなかっただろうが、四十年前の田舎町という場所ではマサオと遊ぶことができた。
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