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「あ。」天高くを指す指先の、デコレヱトの、プラチツクの、それは大ぶりな花、して、くれなひ。背の翼の描き殴らるる絵は、所詮あーとといふ物か。感性のひんじやくなワタクシに、其れに添える賛辞在ら不。
指先のにらむ天井、雲から落つるかの如き影は次第に大きくなり、つひにどちゃりとくずれてしまつた。「きつとつかれてゐたのでせう。」狐の手こんこん、くずれたものを踏み荒らし、掬い、べちゃり。顔ぬらすはらわたに臭いはなく、ああ、ワタクシがつかれてゐたのかとうなづきて、さあはじまりはじまり。
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