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ジョン達の所に駆け寄ったトカレフはジョンに威張り口調で名前を聞いてきた。
「おい、お前の名は。新入り」
「ジョン。何か様ですか」
「様があって来たに決まっているだろ。お前は俺が誰だかわかってるか」
と、言っている時、ジョンが言った。
「一流企業の社長に飼われているトカレフだろ。それがどうした」
と、ジョンが当たり前のような顔をしながら言った。 「何だお前。舐めた態度とりやがって、あんたは一般家庭の犬なのに、こちらの言うことも聞けないのか」
と、怒った様子で言った。 「金持ちだということを背に付けて他の犬を見下すのはまちがっている」
と、ジョンが言った途端、トカレフがジョンの首を地面に押さえ付けた。
「おーい、トカレフ。帰るぞ」
と、トカレフの飼い主がトカレフを呼び、トカレフがジョンに一言残していった「覚えとけよ。この事」 と、言ってこの場を去って行った。
マカロフがジョンの近くに寄って来た。
「ジョン。大丈夫」
「大丈夫だ。マカロフ」と、マカロフはジョンの事をすごいと思いまた、ジョンはトカレフの事が頭から離れなかった。
その夜の事だった。ジョンは飼い主が見ているニュース番組の速報でトカレフの飼い主の会社が倒産した事が告げられた。それが原因らしく一週間、トカレフがドックランに来なかった。ジョンがトカレフの事を多少心配している様子なので周りからは、気にするなと言われるがやっぱり、心配は消えなかった。
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