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朝食を終えて才蔵は城内の廊下を一人歩いていた。
たまに通りかかる家臣や兵に挨拶をしながら、さっきの兵の話を考えていた。
「う~ん、やはりおかしい…どうにも腑に落ちんなぁ…」
と目の前にいきなり人の顔が現れた
「うわ!!」
驚いて思いっきり後ろに倒れ後頭部を強打する
「才蔵~!こんな所にいたか、探したぞ!どこ行ってたんだよまったく」
佐助が天井から逆さまになってぶら下がっていた
「イッタァァ!さ…佐助殿!?一体どこから出てくるんですか!」
頭をさすりながら起き上がり、天井にぶら下がっている佐助に怒鳴る
「おいおい、な~に怒ってんだ?てか、どこ行ってたんだ?まったく」
怒る才蔵に軽い口調で言い
「何を怒ってるって、それは佐助殿が突然…!まぁいいです。で、何用ですか?」
怒っても仕方ないと思い怒りを抑え
パンパンと埃を払いながら立ち上がり聞き返す
「そうそう、大将がお前に仕事を頼みたいって言ってたから呼びにきたんだよ」
才蔵が怒っている事を知ってか知らぬか飄々としている
「お館様が拙者に仕事?」
「そ、し・ご・と♥大将が待ってるから早く行ったの方がいいぜ~、早く行かないとぶっとばされるよ~www」
ハハハ~と笑いながら佐助は走って去っていった
「さ…佐助殿…他人事だと思って」
走り去る佐助を見て呟き
~信玄の部屋~
「お館様、霧隠才蔵只今参上仕りました」
才蔵が信玄の居る部屋の前で両膝を付き
頭を下げ入室する
「うむ、才蔵来たか」
才蔵はスススっと信玄の前まで行くと、正座をし頭を下げた
「してお館様、拙者に何用でござまするか?」
顔を上げ、信玄に聞き
「ウム、ちぃとばかり厄介な事になってのう…幸村よ、例の物を」
信玄の横に居る幸村が「ハッ」と言い懐から何やら書状のような物を信玄に渡し
「才蔵…コレを読んでみぃ」
いつも以上に深刻そうな表情をした信玄が、書状を才蔵に渡した
才蔵は深刻な顔をする信玄をチラッと見て書状を開いた
「!!お館様!こ…これは!?」
書状の中身を見た才蔵はバッと顔を信玄の方に向けた
「ウム…宣戦布告じゃ…伊達からのな」
信玄は目を細め遠くをジッと見つめた
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