172人が本棚に入れています
本棚に追加
(見世物じゃねぇんだがなあ。)
昔から、この顔と体格のおかげで女には困らなかったが、因縁をつけられることもあった。
だが、誰に責任を求めるわけにもいかず、目立つ容姿を生かすも殺すも自分の裁量とは思っている。
(いらいらする。)
周りの視線に無視を決め、帰ろうとしたが前が異様に騒がしいことに気が付いた。
そして。
「おっと---」
胸にぶつかったのは奇妙な服装の女だった。
相手が女だったのもあり紳士的に事をすまそうとしたが、次の言葉を聞いて目が点になった。
「邪魔よっ!」
女はきっと土方を睨みつけた。
土「・・・は?」
最初は呆然としていたがぶつかられた上に怒鳴られ、腹がたった。
土「お前「女ぁ、逃げんじゃねぇ!」」
「ああ、もうっ!しつこいわねっ!」
職業柄聞き慣れた怒声に土方は嘆息した。
奇妙な服装をしているが顔を見たかぎり女は美人の部類に入る。
.
最初のコメントを投稿しよう!