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そして身体も顔に負けてはいなかった。
奇妙な着物からは白い肌と綺麗に浮き出た鎖骨、胸の谷間も素晴らしい眺めだった。
下半身もすんなりとした脚は美しく、島原の遊女でも敵わないだろうと土方は思った。
しつこい視線を察したのか、女は土方を見つめた。
土(--なんだ?)
女の瞳に自分がうつっただけだというのに土方は自分がえもいわぬ快感が走るのがわかった。
「な・・・なによ?」
女は頭上にある、土方のほうけたような顔を見て訝しげにとうた。
「じろじろ見ないでよ。」
きつく尖っていた声色が不思議な弱さを帯びた。
あげくみるみるうちに女の顔が赤くなる。
こっちが女の顔立ちに気が付いたように、女もまたいまになって土方の顔立ちに気づいたのだろう。
土(こいつぁ・・・おもしれぇな)
真っ正面から睨まれ怒鳴った後に、赤くなられるというのは数多の経験でもさすがになかった。
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