始まりの季節

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冬が過ぎ、ポカポカした陽気になる 桜は花をつけ、清々しい景色が広がる ここ私立風ヶ丘高校にも春の香りが漂いながらの入学式…… の開始10分前…… 「うおぉおぉぉ!!」 完璧に寝坊だ 春眠暁を覚えずとはよく言ったものだ 商店街を全力で駆け抜ける 目の前の桜並木には目もくれず 鋭いコーナリングで校門をくぐり 昇校口をぬけ、受付を済ませ、教室へ急ぐ その途中―― ――ドン…! 何かにぶつかった 「いつぁ~…」 あごを押さえながら見てみると、ぶつかったのは背の小さな女の子だった 「ああ、ごめん!」 女の子は目に涙を浮かべながら頭を押さえている 「…え~っと、大丈夫?」 よく見ると制服が違った 男子生徒の生徒を着ている 「痛ぇ…!なんだ…」 見た目通りのかわいらしい声だった 「……あれ?一年…? もうST始まってるしょ?」 その人は早く行けとジェスチャーした どうやら常識はあるらしい 「あ、失礼します!!」 急いでその場をあとにする
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