10人が本棚に入れています
本棚に追加
冬が過ぎ、ポカポカした陽気になる
桜は花をつけ、清々しい景色が広がる
ここ私立風ヶ丘高校にも春の香りが漂いながらの入学式……
の開始10分前……
「うおぉおぉぉ!!」
完璧に寝坊だ
春眠暁を覚えずとはよく言ったものだ
商店街を全力で駆け抜ける
目の前の桜並木には目もくれず
鋭いコーナリングで校門をくぐり
昇校口をぬけ、受付を済ませ、教室へ急ぐ
その途中――
――ドン…!
何かにぶつかった
「いつぁ~…」
あごを押さえながら見てみると、ぶつかったのは背の小さな女の子だった
「ああ、ごめん!」
女の子は目に涙を浮かべながら頭を押さえている
「…え~っと、大丈夫?」
よく見ると制服が違った
男子生徒の生徒を着ている
「痛ぇ…!なんだ…」
見た目通りのかわいらしい声だった
「……あれ?一年…? もうST始まってるしょ?」
その人は早く行けとジェスチャーした
どうやら常識はあるらしい
「あ、失礼します!!」
急いでその場をあとにする
最初のコメントを投稿しよう!