ラブゲーム

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自ら変人変態の道を選んだ馬鹿だと。それが僕からのせめてもの情けだ。 「仕方ない。前回は僕が勝負方法を選んだからな。ルールだけでも聞いてやる」 「まぁまぁ、そんな難しく考えんなよ駿河ちゃん。相手を先に落とした方が勝ちっていう駿河ちゃんでもできそーな単純かつ簡単なゲームだからさ」 「……………」 さて、今日一日でコイツを殴り殺したいと思ったのは何回目なんだろうか。 いくら頭のいい僕でも未知数に近いそんな数は正確には分からない。 でもまぁ…最低でも100回はあったか。 おおよそで割り出した数に溜め息をつき、メガネの縁を抑える。 「じゃあ、先に相手を惚れさせた方が勝ちだ」 「そのとーり!!流石駿河ちゃん!!勝負投げ出すなんてそんな負け犬みたいなことしないって信じてた」 「……なぜ僕はこんな馬鹿とこんなくだらないことをしているんだ?」 本気で疑問に思った。 だいたいコイツとさえ関わらなければ僕は平穏かつ充実した学園生活をおくれていたはずなのに。 「で?その惚れさせる相手とは誰だ?」 「え?俺だけど?」 「……………」 僕をここまで唖然とさせたヤツは一樹が初めてだろう。 せっかくだから誉めてやる。 まったく馬鹿の思考回路は奇怪すぎてついていけない。むしろついていきたくない。 「君の目は節穴か?」 「いや?ちゃんと目玉親父が二匹おさまってますよ?」 「っ、ならばその親父でよく回りを見ろ!!いや自分を見ろ!!貴様は女か?なぜ僕が自分よりもデかい男を惚れさせなきゃならんのだ!!」 「そういうゲームだからでーす」 声を荒げる僕に対して、一樹は楽しそうに言った。 そうだ、こいつは僕が嫌がることなら何でもするんだった。ここで嫌がったらまさしくヤツの思うツボじゃないか!! いや、でも待て…。 「僕が惚れさせる相手が君ならば、君の惚れさせる相手は…」 「よしひろちゃんでっす」 わー、という歓声が回りからあがった。 なんだそれ、おかしいだろ。 つかなんでこんなゲームで盛り上がれるんだ貴様らは!! 「ぜってーおとしてやるからな」
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