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「これで三体目ね・・・」
薄暗い部屋に少女が一人。
一見用途不明な機材が並び静謐なる鳴動を繰り返す。
少女はある一点を見詰めていた。
それは、
――緑液が充たされた培養槽。
しばらく熱い視線を送っていた彼女は、途中になっていた作業を再開した。
「―――魂管庁への登録申請は完了したし、あと設定は・・・タイプγかしら?」
少女は呟きなが書類に目を通しつつコンソールに打ち込みを行っていく。
その書類の送り主は、データ化された魂を扱う事を生業とする魂魄管理庁となっている。
「次こそは完成させないと・・・“彼”の最高のカラダを――」
呟きを遮る様に雷鳴が響き渡り、稲光が常闇の空間に一瞬の変化をもたらした。
その光により培養槽の中身が見えた。
そこには―――が在った。
(バル)
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