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眼の男に会った翌日。 彼から言われたあの予言について考えていたがその意味は全くわからぬままだ。 今朝のニュースでも警察官の汚職や不祥事が叩かれていた。 こんな風に足がついてしまうのは要領の悪い奴のすることで、表向き善良な警官の振りをしながら影でもっと汚いことに手を染めている奴は沢山いる。 最早このシンジュクにまともな警察官なんていないのではないか… そんなことを考えながら登庁し、飲み物を買おうと署内の自販機の前に立ったとき急に声をかけられた。 「おはようさん。 どないしたんや? 朝っぱらからそないな暗い顔して」 いた。 まともな警察官。 「咲夜捜査官…」 咲夜 涼 このシンジュクへ大阪から志願して赴任してきた特別捜査官。 今は大きなヤマを追っていて歌舞伎町のホストクラブに潜入捜査中のはずだが… 「おっ。 あんた俺の名前知っとるんか?」 「はい。 今時珍しい警察官らしい警察官だって鑑識課でも噂になってますよ」 それを聞いた咲夜は、そうなんや~そっかそっかと言いながら自販機に小銭を入れて缶コーヒーのボタンを押した。 「それより咲夜捜査官…今は潜入捜査中では?」 「おう。 よう知っとるなぁ。 ちょいと野暮用で顔出しただけやさかい、またすぐ戻るわ。 って言うても夜からしか動かんから帰って寝るだけやけどな」 どこか嬉しそうにそう言うと咲夜は買った缶コーヒーを取り出し俺の手に握らせた。 「やっぱり朝はコレやろ! モーニングショット! これ飲んでシャキッとして仕事頑張ってな。 俺の奢りや」 ポン、と俺の肩を軽く叩いて歩き出した咲夜にありがとうございますと例を言うと彼はこちらを振り返りはせずに手をひらひらと振りながら署から出て行った。 ひとり自販機前に残された俺は手の中にある缶コーヒーを見ながら呟いた。 「俺、コーヒー飲めないんだよなぁ…」
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