第一章:吉田松陰との出会い

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松「あなたのお母さんとお父さんはさっき此処に来て、あなたを私に預けて行きました。だからあなたは心配せず此処にいるといい。」 松陰はめいっぱいの笑顔で嘘をついた。 女の子は笑顔で… 「わかった!おかあしゃんとおとうしゃんくるまでいい子にしてる!」 と言った。 そして、松陰はさらに聞いた。 松「ところであなたのお名前は?」 「…わかんない」 女の子には名がない。 『血鬼』の村では名付けは5歳になってからなのだ。 だから、呼ばれる名がないのだ。 松「…ならば今日からあなたは“汀曄(ていか)”です。水際の穏やかな場所でも華やかに輝けるように。良い名でしょう。」 「うん!わたしの名なんだね。うれしい!」 この日より女の子は“汀曄”と名付けられた。 今は亡き両親に代わり松陰によって。
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