プロローグ

2/5
前へ
/15ページ
次へ
「ジャンケンポン!」 大きく低い声が四つ重なりこだまする部屋。 部屋は、江戸時代を錯覚させてしまう和風に囲まれている。 その部屋だけではない。 ここは、端正な住宅街で誰もが知る豪邸。 日舞や、華道、茶道を会得した野村流の一族が住む屋敷なのだ。 この家には、家元の流(リュウ)と流の子供5人が住んでいる。 そして、他の直系の一族ではない者たちは、離れに住んでいる。 というような、他からみれば、どこの物語だと言われそうな・・・ まとめると、馬鹿でかい家なのである。 話を戻そう。 今行われているジャンケン大会の参加者は4人。 野村家 長男 工(タクミ) 次男 陸(リク) 三男 糖(トウ) 四男 佐和(サワ) ジャンケン大会の勝利品は ……………溺愛する弟を部屋まで行って、起してくるという、馬鹿でかい家の馬鹿小さい話なのである。 なおも、ジャンケンは続き、 「あいこでしょっ!」 「勝った!!」 三男 糖が目を見開く。 「糖!おめでとう。ミル○ーの飴あげるよ」 「やったぁ!…って違ぇよ!!陸!」 この四人は、兄弟といっても、年が同じ。 つまり四つ子。 問答無用で兄弟ゲンカなのです。
/15ページ

最初のコメントを投稿しよう!

36人が本棚に入れています
本棚に追加