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十和が準備をしに部屋への廊下を歩いていくと、兄たちは無言で朝食の手を止め話し出した。
今年、高校生になる十和。
高校は、ここらでは知る人が少ない全寮生男子高、弥城学院。
四人の兄達もそこを出ていて、第250期生徒会メンバーで、
なんというか、学校にいろいろなダメージを与えたらいく、学校で野村四兄弟を知らないのは新しく入る新入生くらい。
その純粋なる一年も先輩と言う名の噂発信機に侵食され、2ヶ月後には野村四兄弟に興味そそられているのだ。
兄達は愛する弟が心配でたまらないのである。
なにせ、全寮生だから。
「…十和が虐められたらどうする?」
メガネを拭きながら喋りかける陸
「殺害するしかねーだろ。」
「いきなり物騒なこと言うな。」
「おまえらは何で、虐められる前提なんだ?」
工がもっともだ。
………
「でも、俺はそんなんよりも、周りのやつらが十和に恋だ愛だ言わねーか心配だっつうの。あの女顔でしかも整ってる。十和が男にでもはしたりしたら・・・。」
兄ちゃん一生の不覚!
「そんなの、十和の自由だろ。」
……………
……空気が重苦しくなる。
兄達はある目的があり十和を弥城学院に入学させた。
いや、そうせねばならなかった。
だが、それを十和が知るのはもう少し先のようだ。
「全てはあのこの自由。俺らはあのこが真実を知ってもあのこの見方でいてあげよう」
そっと、陸が呟く。
それに、無言で同意する三人。
全てはこれから始まるのだから。
それはさておき。
「おせーな。十和。」
糖が眉間に皺をよせている。
トタトタ……
足音が四人の部屋まで近づいてくる。
「兄様、遅くなりました。準備は出来たのですが、俺のクラリネットが無いのですが存じませんか?」
十和が話かけていた工の返事を
邪魔するように佐和がいきなり話だす。
「……さて!十和!貴女が探しているのは、この、ちくわですか?それとも、縦笛ですか?それとも、昨日俺が盗んだ十和のクラ「クラリネット。」
十和は即答。
返答に困った佐和は陸に助けを求める。
はぁ。とため息をついて、
「そんな正直な子には危険があるので、このちくわを上げます。」
「いらないです。」
「もう俺は行きますから。何かあったらメールしますね。では、また。」
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