中原香苗と僕。

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「こんにち……わ?」 入り口の方から女の子の声がした。この場合助かったのだろうか、それともヤバいのだろうか。 「へ……?中原さんと遠野君って……あ、取り込み中で……あれ、中原さんは■なのに遠野君は着衣で……ふぇ?」 「ふむ、福原二年生か。今日はもう解散にしよう……遠野二年生、またの機会だな」 そういうと中原はすぐに服を着直す。基本的に僕以外にはそういった行動は見せないようにしているらしい。 「と……遠野君、何をやってたの?」 「いつも通り襲われてただけだよ」 「……つ、付き合い始めたの?」 「いやいや、そんなんじゃない。どうせ暇つぶしだろ、アイツの」  中原香苗と付き合うというのは、一般のサラリーマンが総理大臣と居酒屋に行くくらい難しいと言われているのだ。 「そうなの?……そっか」 心なしか福原は嬉しそうな顔をしていた。 「さぁ、もうすぐ完全下校だな。遠野二年生は福原二年生を送りなさい。私は見回りをする」 「見回り?別にしなくてよくね?」 「いや、ここ最近校内にて不純行為が多発しているのでな。取り締まりが強化されているのだ」 ……さっきまで中原もその一人だったんだが。あえて言わないでおこう。
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