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いやいや納得している場合ではない。
「それはそうと何故、俺の部屋に居る?」
待て待て相手は神様、もっと丁寧に言わないと…。
「もうとい、何故、神様がわたくしの部屋に居られるのですか?」
トリゾウは少し困った顔をした。
「そんなに改まられてもね。普通に話してくれない。何か首の辺りがくすぐったくなるよ。」
そう言いながら首を掻いている。そうしながらこう言った。
「実は君は選ばれた人間なんだよ。」
「えっマジで?!」
俺は驚いた。しかし、トリゾウの話は続いた。
「って言いたい所だけど…。まあ、普通に君の部屋が居心地良いだけなんだけどね。」
俺は芸人のように転けそうになった。そして…。
「なんだよそれ。」
と芸人のように突っ込んだ。トリゾウはそれを見て腹を抱えて笑った。
「君はテレビの芸人になれるぞ。」
「それって誉めているの?それともバカにしているの?」
俺は少し怒ってそっぽを向いた。トリゾウは笑うのを止めてこんな話を始めた。
「すまんすまん。しかし、誰にでも得意な物と不得意な物がある。例えばわしは神様なのに空を飛べない。しかし、他人の願いは何でも叶えられる。だから、他人に笑われたからと言ってそれを諦めたりしたらいかん。それを諦めないでやれた者こそ勝者だ。わしは諦めない。それでいつか天界に帰る。お前も芸人を目指せ。」
トリゾウは窓の外に見える一番明るい星を指差した。スポ恨アニメの父ちゃんのようだった。
「おぉぉぉ―――!!神様に負けないように芸人目指すよ。」
俺は拳に握りしめ固く誓った。
「ってオイ。俺は芸人目指してないって。神様は俺に何をさせるつもりだ。」
「わしは君ならやれると思ったけどな?まあ、君がやらないなら仕方ないな。諦めよう。」
トリゾウは残念そうにしている。そんなトリゾウを見ながら、1つ何か頭に引っかかっていた。
「その話は置いといて、今からもここに居るつもりなんですか?」
「その話し方は止めてくれ。友達と思って普通に話してくれ。」
「分かった。それでいつまで居るつもり?」
神様にタメ口…何かやりにくい。トリゾウはそんな俺を見ながら言った。
「ずっとだ。」
「ずっと?そりゃ困るよ。」
トリゾウは笑いながら手を叩いている。
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