プロローグ

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梅雨になると思い出す。 あの子の真っ直ぐな瞳を、熱い視線を…。 俺は彼女に間違った選択をさせなかっただろうか? 雨がシトシト降る梅雨の空を見上げながら、心に浮かぶのはあの子のことばかり。 「まったく…」 彼女はどうやら自分という存在を、梅雨と一緒に俺の中に封じ込めていったらしい。 彼女らしい仕業に自然と笑みがこぼれ落ちた。
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