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「STARSの運営会社だ」
「えぇ!?」
普段から、慶はあまり声に感情を乗せない喋り方だった。
しかし今の慶は顔も声も驚きで埋め尽くされ、珍しい事もあるんだと大和が逆に目を丸くする。
「直談判って事?高校生なんて入れてもらえないよ」
幾分か落ち着きを取り戻しはしたものの、未だに動揺がにじんでいる。
「大丈夫。考えはある」
「考えって・・・?」
口を挟むばかりで、一向に抜け出す支度をしない慶に、大和は眉間に皺を寄せた。
「早くしねぇと外出れなくなるぞ。行く途中に話すから安心しろ。お前残ってもいいけど」
これまで、中抜けなどした事がなかった慶の立場とすればここに残りたいだろうが、慶は迷わなかった。
「ちょっと待って、今行く!!」
蓮が巻き込まれているのだ。
一分でも一秒でも早く解決させたいに決まっている。
大和は小さく笑うと、走り出し、そのまま校舎を飛び出した。
「おい、お前等どこいくんだ?ちょっと待て、おい!!!」
校舎を出てから正門まで行く途中に、不運にも生活指導の教師にばったりと会ってしまった。
黒田ならまだよかったものの、こちらはかなり厳格な教師、今井という。
しかし今井の怒声すらも無視し、2人は学校を出た。
そのまま足を止める事なく、走って数分のところにある駅へ向かう。
「慶、会社の場所は東野伎。大本線で8駅だ。20分程度で着く」
「大本線か。分かった」
二人はバス、電車専用の電子マネー、『cool tyoloko』を改札に突っ込み、急ぎ足でホームへ向かった。
cool tyolokoは、事前にチャージしておく事でその金額内を自由に行き来できるカードで、その便利さから持っている人も少なくない。
特に会社員や学生等、毎日電車を利用する人にはほぼ必須と言える程になっている。
「電車、あと2分で来るよ」
慶は電光掲示板を一瞥した。
そしてホームへ着き、2人が一息つくとちょうど電車が向かってきた。
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