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Vol.11 world創立記念パーティー
数ヶ月、世話になった廃墟兼マイスウィートホームに別れを告げる。
無駄に長いトレンチコートを羽織り、ひび割れた鏡に映る自分を見て、爆笑。
「懐かしいなあ。憧れたもんだ」
眼鏡をポケットにしまい、マスクを被る。
さあ、一体何から話せば良いのか。
先ずは、謝る?
許してくれるだろうか?
いや、それは良い。気持ちが伝われば、構わない。
次は弟とその彼女。
かつての、俺の初恋の人。
まあ、弟に負けた時は仕方ないと思った。
俺の耳元に入ってくるのは、worldの大きな出来事だけ。
日本はまだ安全だろうか。
未来党のシンボルマークばかりが目に入る。
「あれもエレウェイを示してんのかな」
蛙が鳴く。蛙の時計が鳴る。
「時間だ」
久しぶりに会う親友は、一体どんな顔をするだろう?
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