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ケイside
「‥ケイっ俺が車出すから、お前は保険証とか持って‥すぐに車乗れっ」
俺は頷くと一旦ヒカルをユウヤに預けてリビングに走って行った
─────────‥‥
ユウヤが運転する車で近くの総合病院に行った。
急患ということもあり、すぐに診察してもらえた
拭いても拭いても溢れてくるヒカルの汗をタオルで何回も拭いていく
先生の向かいに俺とユウヤが座る。横のベットにヒカルが寝かせられた
『‥先生、ヒカルは?』
重く苦しいくらいの空気が漂っているなか、先生が小さく喉を鳴らした
「原因不明の高熱です‥。高熱により、声帯に影響があり‥」
難しい専門用語ばかり並べられた先生の話は少ししか理解できなかった
「いつかは治るんですよね?」
ユウヤは苛立ちながら問う
「‥はっきり申し上げると、持ってあと3日です‥」
意味わかんねぇ、
『「は?」』
「今の医療では全力を尽くしても、ヒカルくんが辛いだけだと思いますので‥」
がたんっ
ユウヤが勢いよく立ち上がる。椅子が倒れた
一瞬ビクッとする先生
「まじなの?」
「‥あっ、あの」
「まじで言ってんのかって聞いてんだよっ」
「はっはい‥。」
─────────‥
点滴をするため、1日だけ入院することになった。
「‥もしもs((只今電話に出ることが‥))
ユウヤが母親に電話をしたけれど出ない
ユウヤはぼーっと座ってる俺に苛立ち始めていた
「‥おい、ケイ。お前は何とも思わねーの?いくら腹違いの弟だからって‥」
フルフルと震えだす俺
ユウヤはしゃがみこみ俺の顔を覗き込んできた
我慢してたのに、見られてしまう
『‥俺だって、俺だって悔しいんだよっ。‥何もできねーじゃん』
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