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「よしっ」
俺、アレス・レオティアが住む国『アリアス』
その国のセグンタという小さな村で、目に届くぐらいの長さの黒髪で瞳の色も黒のアレスは、荷物をまとめていた。
一通りの荷物をキャリーバックに詰めると、一息つきベットに倒れ込んだ。
そして、名残惜しそうに天井を見上げた。
「明日からまた学園かぁ~、あいつら元気にしてるのかな?」
学園を離れて約2年。
アレスは、17歳になった。
小さい頃に両親をなくし、姉と二人で育ってきた。
そして、俺は12歳の時に初めて両親について姉に聞いた。
俺が両親の事を聞いた時、姉はすごく悲しい顔をしていたのを覚えている。
でも、すぐに笑顔になり「あなたの両親は立派な魔法使いだったわ」と教えてくれた。
その時俺は、魔法使いになろうと決心した。
自分も両親のような立派な魔法使いになりたい。
そして、顔も知らない両親の事を知る事ができるかもしれない。
そんな思いで、俺は魔法を習う為に学園に入った。
しかし、そこでの現実はあまりにつらいものだった。
「あなたに魔法の才能はありません」
学園に入って言われた言葉。
とても悔しくて、一度は現実から逃げ出そうと思った。
でも、それでも俺は魔法使いになりたかった。
諦められなかった、両親の事もやっと見つけた夢も……
そう思った時、部屋の扉が勢いよく開いた。
入ってきたのは、茶色い髪がくせ毛のように肩のところで外側に跳ねており、足の付け根まである茶色のスカートをはき。
白のブラウスを着ていて、少し膨らんだ胸の前で手を組んだ、仁王立ちで立っているムスッとした女性だった。
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