旅立ち

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俺はベットから飛び起きて、目を見開き驚いた。 「ね、姉ちゃん!?」 そう言われた女性は、腕を組んだまま無言で俺に近づいてきた。 (まずい!忘れてた!) アレスがそう思ったが、それを言えば確実にやばい…… なんとか誤魔化さないと…… 「ま、待って姉ちゃん!忘れてないって!ただ少し休憩を……」 咄嗟に言ってみたが、アレスは身体はもう無理とわかっているように、嫌な汗が全身から出るのを感じる。 なんとか言い訳をしようとしたが、姉は目の前まで来ると悪戯っぽい笑顔を浮かべて「問答無用」と言い、俺は地獄を見ることになった。 姉は俺をボコボコにした後、一息つきベットに座った。 「まったく、用意が出来たらすぐ来なさいって言ったでしょ」 「ヴァイ、ズビマベンべジタ(ハイ、すみませんでした)」 俺は今正座させられている。 痛い……かなり痛い…… 忘れていたとはいえ、ここまで容赦なくやるだろうか? 姉弟だから?……それじゃ差別だろ…… 俺はこの時、姉は怒らしてはいけないと、身をもって再確認した。 手加減無しなのは、本当に怖い。 普通ならここまでしないだろう。 顔が変わるぐらい殴られて、上手く言葉が言えない状態になるほどだ。
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