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僕たち1年G組はある日、山に登りに行くことになっていた。学校自体が山の上にあるので新たな期待感みたいなのも無かったし、僕はその日が楽しみではなかったが、大して行きたくないという拒絶反応も起きなかった。
当日。山岳部の男子が先頭に立ち、山を登って行く。急な勾配という訳でもないので、登ることは苦難ではない。ただ単に無意識に足を動かしていれば、頂上までたどり着けるだろう。そんな思いで足をゼンマイ駆動の玩具の如く上げ下げしていると、流石にネジが巻き足りなかったのか、僕は疲労を感じ始めていた。僕としては休みたい気持ちが些か在ったが、自分の意見を言えるような性格ではなかったので、歩きながら目に見えぬ形でネジを巻くことにした。
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