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クラスメートが、誰もいない。声すら、人間のものなど気配もしない。僕は山の頂上に1人、残されたのだ。いつ彼らがいなくなったのかすら、僕には理解できない。こんな事があって良いだろうか。前から孤独とは感じていたものの、こうもあからさまに取り残されるとぐうの音も出ない。とりあえず山は降りればいいのだろうが、この時 座り込んだ僕には、立ち上がる気力すら湧かなかった。
何時間かして、自分が眠っていたことに気づく。辺りは随分 暗くなっていた。その時、今日は山を降りることは出来まい、と憂鬱な気分に浸っていた時だった。微かな光が東の方から漂う。人間だろうか?否、人間の技術で出せるような優しい光ではない気がする。
僕は大木の時と同じように、惹かれるが儘にその光の方へと向かって歩いて行った。
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