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幾らかの距離を放心状態で歩いていくと、僕の脚はみるみる疲れを無くしていった。何か、神聖さを通り過ぎたものが、自分の身の回りに起ころうとしている。僕は直感的に、そう思った。
妖精、という動物はこの世には存在しない。辻は小さい頃から(といっても今もなお高校生という名の子どもだが)そういった思想が根づいていた。御伽噺とは縁がない。現実にならぬものに縁なんて存在しない、というのが彼の思想だった。
しかし彼が見た光景は、妖精たちの集まりと言う他に呼び名が思いつかないものだった。
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