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「おめぇもよう、たまにはもう少し楽な仕事でもしたらどうだ? こんな仕事ばかりしてたら流石に死んじまうぜ?」
「そりゃそうかも知れないですけど……」
美夜風がそう呟くと、ちょうど隣の窓口にいた客が帰っていった。
「ほら、空いたぜ」
おじさんが顎でそちらを差しながらそう言うと、美夜風は小さくため息をついて、隣のCクラスの窓口へと歩いていった。
「いらっしゃい」
「どうも。何かいい仕事はありますかね?」
「そうねぇ……」
窓口のおばさんは口元に手を当てて、古びたパソコンを構いだした。
「インナーシティ第七区の下水道の掃除は?」
「何でまたそんな微妙なの選んだんですか。違うのでお願いします」
「じゃあ高橋家の犬の世話は?」
「嫌です」
「亀山家の猫のゴンちゃん探し」
「嫌です。だから何でそんなのばっかりなんですか」
美夜風が呆れた表情でそう言うと、おばさんは大層面倒臭そうな表情でパソコンの画面を美夜風に向けた。
「そんなに言うんだったらあんたが自分で探しな」
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