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「皆で一緒に食おう。飯は全員で食った方が美味い。神楽も、定春も。一人でも欠けるなんて・・・・寂しい、だろっ!」
最後はほとんど自棄だった。別の意味で泣きそうだった。
さらに意志とは無関係に容赦なく小っ恥ずかしい台詞を並べ立て続けようとする口を、今度はしっかり手で塞いで恐る恐る子供たちの顔を覗き見る。
やはりというか、目と口が限界まで抉じ開けられ茫然としたのも束の間、やがてじわじわと表情が嬉しさを飛び越し、ひどく気持ち悪いものを見てしまったかのような色に染まる。
というか小声で「気持ち悪っ」とかはき捨てたメガネは後で割る。
「ぎぎぎ銀ちゃん、どどどうしたアルか?とうとう糖尿が頭までいっちゃったアルか?どうすれば治るネ、その腐れた天パ引きちぎったら治るのカ!?」
「銀さん・・・・、病院、行きましょう」
「やめろお前ら、俺をそんな目で見んじゃねェェェェ!」
予想通りというか、それ以上の反応を返され、余りの恥ずかしさに絶叫した。
と、今度は羞恥心が膨らむのを止められず、顔が異常に赤くなり涙すら薄ら浮かばせる醜態に、もう本気で死にたくなる。
あれ俺ってこんなキャラだっけ?もっとポーカーフェイスの似合う斜に構えたような感じのイケメン設定(一部脚色有り)じゃなかったっけ!?
自分でも頭がどうかしたんじゃないかと疑いたくなる数々の言動に、半ば意識すら飛びかけた。
「ま、ま待て、違う。今のは俺じゃない。いや言ったのは俺だけど、俺の中の何かが、」
「銀ちゃん・・・・、前々からそうじゃないかと思ってたけど、中二病までこじらせたアルか・・・・」
「いや違っ!つーか前々からって何だよ!銀さん心が少年なだけだから。こじらせたのは思春期だけだから!」
「うっさい見苦しいアルこのマダオが」
「ていうかいい加減泣き止んで下さいよ。なんか調子狂うっていうか、」
「気持ち悪いネ」
「てめぇらァァァァ・・・・あら?」
ばたーん。
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