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唖然とした。
悲鳴を上げたのだ、あの坂田銀時が。腕を捕まれただけで。
わざとやってるのかと思ったが顔は予想外に歪められ、伏せられた目が若干色っぽ・・・・、いやいやいや。
掴んだ副長も想定外の反応に呆気にとられ、思わずといった感じで旦那の腕を投げるように放した。ら、
「あっ」
銀時は勢いに負けてよろけ、へたん、と座り込んでしまった。あの坂田銀時が。
しかも、所謂セクシーポーズで。あの坂田銀時が。
「え、」
「ぁあ?」
僕も副長すら、今起こった一連の流れに付いていけず、ただ呆然と旦那を見つめた。
頬を薄ら赤く染め顔をそらす旦那は、今のことが恥ずかしかったのだろう。
が、ねーよ、男前という言葉が似合いすぎる程似合う旦那に限ってその反応すらあり得ない、だろ・・・・。
「ぎ、銀ちゃーん!しっかりするヨロシ、こいつらあのチンピラ共アルよ!?サドに知られたらからかわれまくるヨ!銀ちゃんがバカにされるのも私がからかわれるのも嫌ヨ!」
「銀さん!だからしばらく外に出るなって言ったのに!心配しなくてもイチゴ牛乳くらいちゃんと買ってきてあげますから!」
どんどん赤く染まる顔をひたすら隠そうとする旦那を囲み隠しながら、子供達は親の仇(あながち間違いじゃない)を見るような目でいまだ固まる僕達を睨み付ける。
「私たちでからかう分にはいいネ。家族だからカッコ悪いとこ見せても全然平気ヨ。でもお前らはダメアル!ライバルポジションのお前にこんなとこ見られたらカッコいい主人公イメージが台無しになってしまうアル。下手すれば主役降板ヨ・・・・。私、銀魂は銀ちゃんが主役じゃなきゃ、ぐすっ、嫌アルゥゥゥ!」
「大丈夫だよ神楽ちゃん。この物語は銀魂本編とは一切関係ございませんから!」
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