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メタ発言控えろォォォ!
おいツッコミ仕事放棄すんな!新八くんがやらなきゃ誰がやるって僕しかいねーんだよ!
まだ衝撃冷めやらぬ状態でツッコミなんてする余裕ないんだよ!
「お、おい万事屋」
心中で盛り上がる僕を置いて先に復活した副長が、震える声で旦那に声をかけ、それに僕も我に帰り副長を見やる。
「お、お前・・・・・・・・・・・・・・・・、万事屋やめてアッチに転職したのか?」
不吉なほどにやけた顔がそこにあった。
口元に手を当て、いやらしい顔で見下している。
あ、からかう気満々だ。
さっきの不機嫌はどこへやら、鬼の首を取ったとでも言いたげな顔でいたぶるように旦那を覗き込む。
「なぁオイ、もしかして喋り方も女口調なんじゃねーよなぁ?」
「ちょ、副長、」
喧嘩になることを危惧して止めに入るよりも、耐えきれなくなったらしい旦那の今日初めての発言の方が早かった。
「っ、んなわけねーだろ。化け物どもの仲間入りする気もねーよ。ただ、お前らに、こんな姿見せたら・・・・、幻滅するんじゃねーかって、恥ずかしくて、っ見せられるわけねーだろ・・・・」
「なっ!?」
涙目、だと・・・・?誰だこの人。もう、完全に別人じゃないか。
旦那の涙なんて天地が引っ繰り返ってもお目にかかれないと思っていたものが、こうも簡単にお目にかかれてしまったことに愕然とした。
旦那、本当にどうしちゃったんですか、何があったんですか。
そしてなんだこの心の奥底からにじみ出る愉悦と征服感は!最低だよ僕!
「駄目です銀さん喋っちゃ!完全に墓穴掘ってます!もっ、もう今日はこれで失礼します。人も集まって来ましたし、」
「万事屋、逮捕だ」
「ぇえ!?」
「問答無用、いいから屯所に来い」
「な、んでたよ。職権濫用にもほどがあんだろ。俺ァ行かね、」
「いいから来い」
あれ?待て、いや待て。
なんで副長まで嗜虐心擽られたような顔してんの。
旦那もなんで副長に強引に引っ張られて頬染めてんですか。
副長と連れて行かれる旦那と、それを追い掛ける子供達をただ見送りながら、ゴチャゴチャの頭であんな状態の旦那を隊長に会わせて大丈夫なのか、それだけを心配した。
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