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「陽菜ぁ♪」
教室のドアが勢いよくスライドして元気な女子生徒がクラスに入って来た。
「陽菜、聞いてよ聞いてよ♪」
満面の笑みを顔に貼り付け陽菜と呼ぶ少女の元に行き嬉しそうに語り始めた。
「今朝ね、帝凛高校の男の子に助けてもらったのよ~。
んでもって、ちょーイケメンだったんだ」
そんな事を言いながら、少女は両手を組んで、明後日の方を見ながら、自分の世界に入っていく……
「詩織!アンタには負けないから」
自分の世界から帰ってきた少女は少し離れた場所で和気あいあいと友達と雑談しながらポッキーを食べる友人に人差し指を向ける。ビシッと効果音が鳴りそうな勢いだった。
詩織は、成り行きが分からず小首を傾げ
「なんかあったの?紗絵?」
暢気な声で自分に指を指す少女を紗絵と呼ぶ。
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