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「詩織、今日おばさんが飯食ってけってメール来たんだ。一緒に帰ろう」
詩織の席は廊下の窓側だから、いつも用事がある度に開かれる窓の外から詩織の幼馴染みの沖永亮太が現れ、そう言った。
亮太は携帯電話のメール文を詩織に見せて人懐こい笑みを浮かべる
「良いなぁ~。詩織は、こんなイケメンの幼馴染みが居てぇ」
本気で羨ましいがる紗絵。
そんな所も紗絵らしいと、苦笑混じりの菜穂が言うと亮太は笑いながら
「そんなお世辞言っても何も出ないよ?」
「紗絵はお世辞でイケメンなんて言わないもん」
そう言いながら紗絵は頬を膨らます。
イケメン大好きな紗絵でも、亮太を好きになる事は無かった。何故なら、詩織の好きな人だから。紗絵は友達の好きな人は、どれだけイケメンでも、絶対に無いのだ。
紗絵は前にそんな事を言っていたなぁと陽菜は思い出していた。
そんな放課後だった。
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