半分の月は笑う。

未完成

何が不満って聞かれたら、なんて答えていいか分からない。
だけど、不満は沢山ある。

上手く言葉には表せられない…

寂しいか？って聞かれたら、それなりに寂しい。

やっぱり、両親が傍に居て欲しい。

話したい事や相談したい事って沢山あるのに、いつも家には帰って来ないから言えない。

静かな食卓に並べられるのは、二人分だけ。

もうすぐ、兄が帰ってくる。

兄と言っても、陽菜と双子として生まれた兄の優輝。

優輝は頭が良く、親や周りから認められ、将来は有望とされ期待されていた。

そんな優輝に対し、陽菜は頭はそこそこ並。秀でた何かを持っている訳でもない。

テーブルに置かれた、ピンク色の携帯電話が今、流行りのPOPの歌を唄う

持っていたサラダの入った大皿をテーブルに置いて携帯電話の通話ボタンを押した。