プロローグ

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「……」 そんな店内の様子を無言かつ無表情で見つめている少女がいた。 ひとまわり小柄な体格にライトグリーンの髪、そして肩にはフェレット(?)を乗せている。 彼女の名はヴァニラ・H。 そして店内を暴れ回っている女性がフォルテ・シュトレーン。先程のヴァニラと異なり、豊満なナイスバディの持ち主でグラマーな大人の女性だが、豪放磊落な性格でどこか親父臭い面が特徴である。 ヴィーン、と胸元のクロノクリスタル(これは通信機の機能を付いている)が唸った。 『フォルテさん!よかった、つかまりましたわ』 声はミントのものだった。 『近衛長官から出動命令が出ました。直ちに0311ポイントまで移動して下さい』 「嫌だね。あたしら半年ぶりの休暇だよ?」 店員の顔を足蹴にしながらフォルテは不満げに答えた。何しろ彼女にとってこの休暇は貴重なものだった。ここ半年は様々な理由で休む暇が与えて貰えなかったのである。 『それが……そうも言っていられませんの』 ミントの声音が変わった。 『あの方達が来ましたわ』 あの方達。 その言葉は仕事を渋るフォルテをやる気にさせるのに充分だった。 フォルテはクスリ、と笑うと、 「今すぐ行くよ!そっちに全員いるのかい!」 大きな声で返した。 『いえ、それが――――――』
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