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(タコ……?)
それは紛れもなく蛸であり、同時にランファが嫌いなものでもあった。
ランファの顔が急に真っ青になっていった。
「いやあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」
叫ぶと同時に一気に水面へ上がり、身体に絡み付いている蛸を引き剥がそうと必死にもがく。
が、いくらもがこうとも蛸は離れそうもない。
ビーチに居合わせていた客には蛸を剥がそうと暴れるランファの姿が滑稽にも写っていた。
「あの女の子さっきの子じゃね?」
「いや違うだろ。全然顔違うし」
砂浜からそんな会話も聞こえてくる。
「ちょっ誰か…助けっ……!」
自分を助けようともしない人々を見てランファが泣きかけたその時――――――。
「私ですわ、ランファさん」
蛸の首筋からにゅっと顔が飛び出た。顔は少女のものだったランファはその顔に見覚えがあった。
可愛らしい顔つきと2つの大きな耳が特徴的な少女、ミント・ブラマンシュである。
「ミント、あんたなんで……」
「うふふ」
口元に指をあてながらミントは微笑んだ。
「エンジェル隊出動命令ですわ」
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