幸せの際

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 私は今、幸せの直中にいる。  明日は結婚式場へ二回目の打ち合わせに行くの。毎日忙しいけど、とても充実しているわ。  義之さんとは式場で待ち合わせ。彼はとても素敵、結婚相談所でひと目惚れしたの。  引き締まった体に爽やかな笑顔。お見合い会場に居る女達は皆彼目当てだった。そんな中、私は勝ったの。最高の気分!  昨日はドキドキだった。私が分担する費用の二百万円を彼に渡したの。帯付きの現金を初めて触ったわ。  彼が銀行に付き添ってくれて良かった、怖いもの。お金は彼に手渡し。口座もスッキリしちゃった。  さて、明日の打ち合わせは昼過ぎだし、もう少し夜更かししたいわ。ビール片手にネットサーフしよう。そうだ、彼の名前検索してみようかしら。ふふふ、何か出るかなぁ。  検索窓に「秋○義之」と打ち込みリターンキーを押す。あっさりと映し出された画面に、目を見開いた。 “秋○義之。結婚詐欺師、原○公紀が使用する偽名です。結婚費用の半分弱を負担させ、金を引き出す最低男。結婚相談所に出没する。私たちと一緒に訴えませんか?”  慌ててかけた彼の携帯は、当然のように解約されていた。
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