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「みくもいくんだろ?」
肩に手を回してきたのは、かいりだった。
もう私のことを呼び捨てにしている。
手のひらが少し熱い。
瓶ビールをラッパ飲みしているのを飲み会中何度もみた。
この人も少し酔っ払っているんだろう。
「まりが行くっていってるし。行きますよ」
まりはすっかりいい気分で男の子の間に入ってはしゃいでいる。
「お前さ、一年じゃねーだろ」
あっちゃー。
ばれた。
「え…」
「やっぱりな。場慣れしすぎだと思ったんだよ。出会い目的かな?」
少し頭にくる。
こいつは私に喧嘩をうってるんだろうか。
「かいりさん。そうはいいますけど、あなたさっきから私の手握ってますよね。人のこといえるんですか。」
心臓が跳ね上がった。
握られた手が彼の唇に触れた。
「俺はみくに出会えてよかったけど?」
お酒で熱いんだろうか。
それとも…私はこの人に惹かれているんだろうか。
キザすぎて、臭すぎて、きっと普通ならひいてしまう。
でも彼のまなざしには綺麗ないやらしさがある。
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