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胸の高まりを隠したくて、ビールを飲む早さが増す。
彼がトイレに立つたびに、彼がほかの女子にお酒をつぎにいくたびに、ほっとする私がいた。
でも同時に早く帰ってきてほしいと願っていた…。
「あれ?まり?」
「まりちゃんならさっき三次会とかいってカラオケ行っちゃったよ」
「え!?」
まったく…大丈夫かな。
携帯を開いた瞬間、それが何者かによって閉じられた。
その手の温もりに胸が高鳴る。
見上げた先にいたのは
「かいりさん…」
「友達においてかれちゃったね」
少し馬鹿にしたように笑った口元が無邪気なのに、どこか艶っぽくみえる。
ふらつく足下を必死で振り起こし、立ち上がる。
「帰ります。今日は楽しかったです。ありがとうございました」
イラついたことをアピールするようにそう言い放ち頭をさげると、あまりの頭の重さに驚いた。
あたし酔っぱらってる!?
頭が地面に激突すると思った。
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