2/4
前へ
/118ページ
次へ
胡座をかいて眉を寄せて、うーんうーんと首を捻る。 いろんな距離や角度を得るためにどんどん首を傾げていく。 うーんうーん (ぐぐぐぐぐぐぐ) うーんうーん (ぐぐぐぐぐぐぐ) うーんうーん (ぐぐぐぐぐ……ばちんっ) 首の辺りで何かが弾ける音がして、おぉっ!と思い付く。 「分かった!夢宇だろこれ!」 「……君、馬鹿?あぁ違うか馬鹿だったね。これのどこが僕な訳?」 「んふふ。サンちゃん正解!」 「よっしゃー!」 立ち上がろうとして、失敗。まっすぐ伸びたまま上手く動かせない足。 しまった痺れた! 力の入らない首。どうやらさっきのは筋の切れた音らしかった。 そんなオレをふん、と鼻で笑う奴にイーっと歯を向ける。 「何々?どーしたの?」 「何でもないよ。ただ馬鹿が馬鹿やっただけ」 「おい!勝手に印刷操作するんなよ!信じたらどうすんだ!」 「印象操作、ね。信じるも何も事実でしょ?」 「んふふ」 言い合う俺達の間で、相変わらずふにゃふにゃとした笑顔が笑い声を落とす。 「アーイっ!」 「んー?」 「眠いか!」 「んーうん」 「でも構ってな!オレと遊べ!」 「んふふ、遊ぶ!」 にかっと嬉しそうに笑うアイにオレも嬉しくなってぐしゃぐしゃと頭を撫で回す。 きゃー、と楽しそうな声を出すアイとは逆にあいつがゲ、と顔をしかめるのはしょうがないとは思う。 お前がいつもいつも綺麗にセットしてる髪だもんな!でもしょうがない、だってアイって何か撫で回したくなんだもん! しょうがないしょうがないっつーことで許してなっ! その内アイの手も伸びてきて、オレの頭をぐちゃぐちゃにする。 癖毛に何本も差してるヘアピンが少しだけ頭皮を引っ掻く感触がした。 .
/118ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4人が本棚に入れています
本棚に追加