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くるり、くるり。
原色ばかりを無造作にぶちまけたような目に痛い配色の傘が回っている。
考えなくても分かる、その傘同様いろんな色のとっ散らかった持ち主が黒く縁取られた目で俺をチラリとだけ一瞥した。(相変わらずパンダみてぇ)
何だ、やんのかこら。
その金属だらけの耳の穴1つ1つ拡張して一纏まりにしてやろうか、あ゛ぁ?
くるり、くるり、くる。
回っていた傘が止まる。
振り返る。その意味もないのに。
「……椎ちゃん?」
「何やってんだ、お前」
ばさり、持ってきた花を押し付ける。ぶ、と蛙が潰れたような声をだすこいつを鼻で笑うと、棘を纏った視線が飛んできた。
過保護過ぎんだよ、お前ら。
「ぶは、んふふ。やっぱ椎ちゃんだ」
「よく分かったね、アイ」
「えー簡単だよー」
「…今日はどっこも怪我してねぇだろ」
「消臭剤の臭いするんだもん。ヒャブリーズ?絶対一缶使ったでしょー」
「あ゛?消臭剤は臭い消すもんだろうが」
「……椎、それ本気で言ってる訳?」
呆れたように黒縁の目が細められる。
タバコ臭いからふれっつったのはどこのどいつだこら。
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