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田中が残り少ない時間で連絡事項を伝えようと必死に喋っている。 「お前のせいでテストするはめになったんだぞ」 俺は小さな声で文句を言う。 それを安倍は聞き逃さなかった。 「あ゛あ?もとはといえばお前が遅刻してきたせいだろうが!」 「いーや安倍だね!」 「お前だ」 「安倍!」 「お前!」 だんだんと大きくなる2つの声。 「安倍!!」 「お前!!」 “バンッ” 我慢に我慢していたものがはちきれた様子の田中は名簿表を教卓に思い切り打ちつけた。 「いい加減にしろ!2人とも後で職員室に来い!!以上!!!」 教室内が静まり返る。 その中でいかにも怒気丸出しの田中が教室をあとにした。
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