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「紫音!起きなさい!!」 けたたましいアラーム音と共に、母のうるさい声がする。 「あと五分…」 「何があと五分よ!今何時だと思ってるの!」 俺は仕方なく重い体を起こし、デジタル時計を見た。 それを見た瞬間、全身の血が下がったのが自分でもわかる。 それもそのはず、デジタル時計は8時50分を指していたのだから。 「うわぁぁぁーー!!」 近所から見ると朝から何なんだと思うだろうが、そんなの気にしていられない。 何たって遅刻の減点が付けられるのは9時なのだから。 減点とは、学校が勝手に作り上げた問題を起こした生徒に与えるもので、減点を一週間に3つとると放課後つらーいテストをさせられるのだった。
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