4/19
前へ
/36ページ
次へ
学校全体に鐘の音が鳴り響く。 ここ、銀凌高校は鐘の音と同時に出席確認が行われる。 「次、斎藤。…斎藤紫音(サイトウシオン)!」 「せんせー!斎藤君はまだ来てないです」 親切に教えてあげている女子の隣の席が空いているのを見ると、斎藤紫音…まぁ俺のことだと容易に想像出来る。 「全くあいつは何をしt…」 “ガラッ” 「セーフ!!」 その時、担任が話している最中だとも知らず、無我夢中で扉を開け、アウトにも関わらず、少しの希望を信じ、セーフと叫んび滑り込む人物。そう、俺だ。 「馬鹿かお前は!完全に遅刻だ!!」 しかしその少しの希望もすぐに打ち砕かれ、俺はうなだれながら席に着いた。
/36ページ

最初のコメントを投稿しよう!

35人が本棚に入れています
本棚に追加