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「気のせい…?」
「何おかしなこと言ってんだ!早く座れ!」
田中に促され、おかしいなぁと唸りながら席に着く。
確かに聞こえたんだよな~。何ていってたのかわからなかったけど…
俺が難しい顔をしていると教室の扉が急に開き、柄の悪そうな少年が入ってきた。
俺の横に来ると堂々と席に座る。
「なんて顔してんだよ。お前に難しい顔は似合わねーって」
そういうとそいつは俺の頭を小突く。
この如何にも不良の少年は俺の友達の安倍聖夜(アベセイヤ)。
「ってぇな。お前まで叩くなよ!考え事してんのに頭悪くなるだろ!?つか、お前完全遅刻だぜ?」
俺は安倍に笑ってみせる。
「どうせお前だって遅刻だろ」
安倍も負けじと言い返す。
「どうせってなんだよ!俺はセーフなんだよ!」
「誰がセーフだって?」
俺らの後ろから怒りの籠もった声が聞こえた。
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