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「「ってぇ!!」」 2人の頭に激痛が走る。 「斎藤…お前反省してないな?」 出席簿の角を触りながら近づいてくる田中の姿があった。 「いやっ!ものすごく反省してます!!」 手を大きく左右に振る。 俺を見つめていた田中は俺からもう一人の少年に視線を向ける。 俺は標的が変わった事に胸をなで下ろした。 「堂々と遅刻とはな…」 田中は相当キレている様子だ。 それは無理もない。 遅刻してきただけならまだしも、遅刻してきた同士じゃれあい出したのだから。 「悪いかよ。道に迷った婆さん交番に案内してたんだよ」 少年はどこかで聞いたような言い訳をし、何とか逃れようとする。
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