第零話

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「なんですか?ミスト様」 トランシーバーを持つ兵士はミストの声に耳を傾ける。 「二度も言わせるな。 そいつの話しの真偽を私が問う。 通せ」 ミストの言葉と同時に城門は開き始めた。 「しかしミスト様。 こやつがいう事の真偽など、わかりません」 男を睨んでいた兵士はトランシーバーを奪い告げる。 「・・私に、口答えか?」 たったその一言に兵士は体を強張らせた。 「失礼しました。 どちらに案内すればよろしいですか?」 「最初からその態度でいればいいものを。 私の部屋だ」 ミストは告げるとトランシーバーはプッと切られた。 兵士は手からトランシーバーが滑り落ち、尻餅をつくように腰が落ちた。 男は横目で兵士を見て尻餅をつかぬ兵士に告げる。 「案内しろよ。上の許可が出たんだろ?」 「ああ。 案内役が来たみたいだ」 城門から走ってくる白衣姿の女性が来ていた。 「では私が案内します。 どうぞ」 男の前で女性は止まり、男に背を向け歩き出す。 「お前も科学者だな。 色々な薬品の臭いがする」 男は女性の背中を歩き告げる。 「これがわかるという事は科学者って事は間違いないですね」 女性は振り返らず告げる。 城の中に二人は入り、城門がしまり始めた。 「大丈夫か。 ミスト様に逆らってどうする」 兵士はトランシーバーを拾い、尻餅をつく兵士の肩を叩く。 「うるさい。 あんな怪しい奴を通すミスト・・様なんなんて・・」 兵士はすんでのタイミングでトランシーバーの電源を切る。 あちらから切ったとはいえ、こちらの電源は切っていないので聞こえても困るので電源を切ったのだ。
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