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それからつい2日後の事。アルは、綺麗なブロンドで藍色の目が印象的な美女と歩いていた。
持っていた買い物袋からポロリとトマトが落ちたのにも気づかず、俺はボウッと2人を見ていた。
「…何だよ、彼女いんじゃん。馬鹿メタボ。」
グスリと小さく、鼻がなった。
今日の晩飯は、クソフレンチ野郎と飲みくらべにしよう。
そんな事を思いながら、さっき落としたトマトを踏んで、転けた俺。
ああ、何てみっともない、みっともない。
「…でよ、聞いてんのかー!?ふらんしーす!!」
「っだー!もう、聞いてるってこの酔っぱらい!!」
「何だとー!!俺は酔ってねえっ!」
その日はどんだけ飲んだか分からないけれど、とりあえず、酔って、泣いて、フランシスの野郎に目一杯迷惑をかけた。
こいつは嫌味なヤツだけど、何だかんだで一緒にいるんだよな。
アルと違って。
あ、またアルの野郎が出てきた。
「ちくしょ…ヒック、ううっ…」
フランシスは俺の頭をポンポンと叩いて撫でた。
それがあんまり優しいもんだから、もっと泣いた。
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